29日の香港株式市場で、ハンセン指数は大幅に続落。終値は前日比2.03%安の26346.49ポイントだった。中国企業指数は2.46%安の10301.82ポイント。メインボードの売買代金は概算で894億6000万HKドルだった。
ハンセン指数は終始軟調に推移した。安く寄り付いた後、じりじりと下げ幅を拡大。終値は今月15日以来、約2週間ぶり安値を付けた。米中貿易交渉や中国景気の先行きに対する警戒感が強まる中、週末を前に売りが優勢となった。トランプ米大統領の署名で成立した「香港人権・民主主義法」について、中国外交部の耿爽・新聞司副司長は定例記者会見で、実施すれば両国が進めている通商交渉に影響すると示唆。同法案が米中の新たな火種になることが懸念された。中国の11月製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表をあすに控え、1−10月工業企業利益が低調だったこともあり、景気減速が意識される中でリスク回避の動きが広がった。
ハンセン指数構成銘柄は全面安の展開。医薬品メーカーの石薬集団(
01093)が約10%、中国生物製薬(
01177)が約5%の急落。2社の抗がん剤や高血圧治療薬が医薬品集中調達第3弾の候補品目に含まれるとの報道が嫌気された。時価総額の大きい中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)、IT大手のテンセント(
00700)、アジア生保のAIAグループ(
01299)もそろって2%前後の下げとなった。
中国企業指数構成銘柄も全面安。都市ガス大手の中国ガス(
00384)、保険大手の中国人民財産保険(
02328)、中国太平洋保険(
02601)、建材メーカーの中国建材(
03323)、安徽コンチセメント(
00914)の下げがきつかった。
このほか、26日の上場から3連騰だったアリババ集団(
09988)は初めて反落して取引を終え、前日に乗せた200HKドルの大台を守れなかった。一方、前日大引け後に中間決算を発表した宝飾品大手の周大福珠宝(
01929)、ダウン衣料大手の波司登国際(
03998)は大幅逆行高。