21日の香港市場は前日の米株安の流れを引き継ぎ、売り先行で始まるか。20日の米NY株式相場は主要3指数がそろって下落。米中貿易協議が難航しているとの報道を受けて軟調な展開だった。同協議を巡っては、米メディアが「第1段階」文書への署名が来年にずれ込む可能性や、「協議が行き詰まる危険がある」との見方を報道。米上下院を通過した「香港人権・民主主義法案」にトランプ大統領が署名するとの見通しが伝わるなか、米中対立への警戒感が高まっていることも投資家心理を重くしそうだ。
香港市場では前日にハンセン指数が4営業日ぶりに反落。薄商いとなったものの、中国本土市場から相互取引制度を通じた香港株売買は前週中盤から買い越しが続き、相場を下支えしている。また、来週26日に上場予定の中国ネット通販最大手、アリババ集団(
09988)の香港公開価格が決定。880億HKドルを調達することが伝わっており、市場活性化への支援材料となりそうだ。
なお、20日の香港株の米国預託証券(ADR)は総じて軟調。欧州金融大手のHSBC(
00005)、中国IT大手のテンセント(
00700)、本土大手国有銀行の中国建設銀行(
00939)といった大型株が香港終値を下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約160ポイント近く下回る水準で寄り付くことになる。