8日の香港株式市場で、ハンセン指数は7営業日ぶりに反落。終値は前日比0.70%安の27651.14ポイントだった。中国企業指数は0.49%安の10882.30ポイント。メインボードの売買代金は概算で796億6000万HKドルだった。
ハンセン指数は高く寄り付いたものの、ほどなくしてマイナス圏に沈み、じりじりと下げ幅を拡大した。前日に中国商務部の報道官の発言で米中が追加関税を撤廃することへの期待が高まったが、ナバロ米大統領補佐官は7日の米テレビ番組「フォックスビジネス」で、「対中関税撤廃の合意はまだない」と異論を唱えた。米トランプ政権内の強硬派が対中関税の撤廃に強く反対しているとも伝えられており、米中通商協議の不透明感が再び意識され、リスクを回避する動きが次第に優勢となった。
ハンセン指数構成銘柄では、時価総額の大きいテンセント(
00700)が約2%の下落となり、指数を押し下げた。中国ネット通販最大手のアリババ・グループ(BABA)が香港市場への重複上場に向けて来週にもロードショーを始めると報じられ、投資資金の分散が懸念された。香港の反政府デモで、警察隊とデモ隊の衝突現場付近で負傷した男子大学生が死亡したと伝わり、抗議活動の一層の激化に対する警戒感から恒基兆業地産(
00012)、新世界発展(
00017)など香港地場系銘柄が安い。前日に高かった製薬株の中国生物製薬(
01177)、石薬集団(
01093)が利益確定売りに押された。半面、民営自動車メーカーの吉利汽車(
00175)が逆行高を演じた。石油メジャーのCNOOC(
00883)、石炭大手の中国神華能源(
01088)がしっかり。前引け後に2019年1−9月期決算を発表したスマホ部品メーカーの瑞声科技(
02018)は後場初めに急騰したが、結局下げて終えた。
H株では、MSCI中国指数から除外される漢方薬老舗の北京同仁堂科技(
01666)、アンガン・スチール(
00347)が売られた。インシュアテック大手の衆安在線財産保険(
06060)、有料道路運営の深セン高速道路(
00548)も安い。半面、長城汽車(
02333)、広州汽車集団(
02238)、BYD(
01211)など自動車株や、次世代通信規格「5G」関連の中国通信服務(
00552)が買われた。