8日前場の香港株式市場で、ハンセン指数は7営業日ぶりに反落。前場終値は前日比0.44%安の27726.04ポイントだった。中国企業指数は0.21%安の10913.33ポイント。半日のメインボードの売買代金は概算で427億9000万HKドルだった。
ハンセン指数は高く寄り付いたものの、ほどなくしてマイナス圏に沈んだ。中国商務部の報道官の発言で米中が追加関税を撤廃することへの期待が高まり、前日終盤に指数が急伸したが、「対中関税の撤廃に米トランプ政権の強硬派が強く反対している」などと外電が報じた。米中協議の進展に対する楽観的な見方が後退し、利益確定売りが優勢。もっとも、本土市場で主要指数が上昇したことや、午前中に発表された中国の10月貿易統計で輸出などの落ち込み幅が予想より小さかったこともあり、下値は限られた。
個別では、時価総額の大きいテンセント(
00700)が1%超の下落となり、指数を押し下げた。中国ネット通販最大手のアリババ・グループ(BABA)が香港市場への重複上場に向けて来週にもロードショーを始めると報じられ、投資資金の分散が懸念された。香港の反政府デモで、警察隊とデモ隊の衝突現場付近で負傷した男子大学生が死亡したと伝わり、抗議活動の一層の激化に対する警戒感から恒基兆業地産(
00012)、香港鉄路(
00066)など香港地場系銘柄が安い。通信キャリアのチャイナ・ユニコム(
00762)、乳製品メーカーの中国蒙牛乳業(
02319)も下げが目立った。半面、民営自動車メーカーの吉利汽車(
00175)が逆行高を演じた。マカオカジノの銀河娯楽(
00027)、石油メジャーのCNOOC(
00883)、シノペック(
00386)がしっかり。