週明け28日の香港市場は前週末の米株高の流れを引き継ぎ買い優勢で始まるか。25日の米NY株式相場は主要3指数がそろって上昇。米主要企業の好決算や、米中貿易協議の進展などが好感された。米中協議をめぐっては、25日に閣僚級の電話協議が行われ、「一定分野で最終合意に近づいた」ことなどが伝わった。香港市場では米中協議の進展期待に加え、佳境を迎えた2019年7−9月期決算の発表を手掛かりとした個別物色なども相場を支える材料となるだろう。きょうはハンセン指数構成銘柄のHSBC(
00005)、万洲国際(
00288)、中国神華能源(
01088)が決算発表を行う。
もっとも、買い一巡後は上値が重くなるか。27日に中国国家統計局が発表した1−9月の工業企業利益は前年同期比2.1%減と、1−8月の1.7%減から悪化。景気減速への警戒感が再び意識されそうだ。また、中国ではきょうから31日まで中国共産党第19期中央委員会第4回全体会議(4中全会)が開催。29−30日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、31日に10月の中国製造業購買担当景気指数(PMI)の発表なども控えており、結果を見極めたい投資家の様子見ムードが相場の重しとなるだろう。
なお、25日の香港株の米国預託証券(ADR)は、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)、中国IT大手のテンセント(
00700)、欧州金融大手のHSBC(
00005)、本土保険大手の中国平安保険(
02318)といった大型株が香港終値を上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を80ポイント超上回る水準で寄り付くことになる。