17日の香港市場は売り優勢で始まるか。米中通商協議の先行きや中国の経済減速に対する警戒感が相場の重しとなりそうだ。米中協議を巡っては、トランプ米大統領が11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にあわせて中国の習近平主席と合意文書に署名したいとの意向を表明。ただ、中国側が米農産物の輸入の条件に意義を唱えていることなどが伝わり、前週の閣僚級協議での合意事項が円滑に履行されないとの見方が広がっている。香港市場では前日にハンセン指数が1カ月ぶりの高値を付けた後で目先の利益を確定する売りが出やすい環境。週明けから中国の景気減速を示す経済指標が相次ぐなか、あす発表される7−9月期国内総生産(GDP)などを前に積極的な買いが入りづらくなりそうだ。
もっとも、下値を売り込む動きは限られそうだ。香港では前日に行われた行政長官の「施政報告(施政方針演説)」で「住宅問題最優先」の方針が示され、香港不動産株が大きく上昇。中国本土でも政府の景気刺激策に対する期待が依然高く、相場の下支え材料となるだろう。
なお、16日のNY株式相場は主要3指数がそろって小幅反落。企業の好決算発表が続いたものの、米中通商問題の先行き不透明感や、弱い経済指標が相場の重しとなった。同日の香港株の米国預託証券(ADR)も売りが優勢。IT大手のテンセント(
00700)や本土国有銀行大手の中国建設銀行(
00939)などが香港終値を下回った半面、欧州金融大手のHSBC(
00005)が上回って引けた。