米国と中国がワシントンで開く閣僚級貿易協議が予定の2日間から1日に短縮され、中国代表団は10日に離米するとの観測が浮上している。香港英字紙『サウスモーニング・チャイナ・ポスト』（電子版）は10日、閣僚級協議の地ならしとして7−8日に米中次官級協議が開かれたが、重要な問題で進展がなかったと報じた。

　消息筋によると、次官級協議で米国側は中国による技術移転の強制や国有企業への補助金を議題に入れるよう要求したが、中国財政部の廖岷副部長ら中国側が拒否。これを受け、閣僚級協議のため8日午後にワシントン入りしていた中国の劉鶴副首相は、帰国を予定の11日から10日に早めたという。

　トランプ米政権は、制裁関税の拡大で中国に圧力をかける構えだ。中国からの輸入品2500億米ドル分にかける関税を15日に25％から30％へ引き上げ、12月15日には1600億米ドル分を対象に15％の関税発動を予定している。中国政府は関税拡大に反対してきたが、消息筋によれば次官級協議の中国側代表は追加関税の中止を強く要求しなかった。