トランプ米大統領は25日、中国との貿易協議が早期に決着する見通しを示した。ニューヨークで記者団に対し、「中国はとても合意したがっている。人々の想定よりも早く実現できるかもしれない」と語った。また、中国が米国から牛肉や豚肉などの農産品を再び大量に買い付け始めたと強調した。前日に国連総会で行った演説では、トランプ氏は中国の保護主義を批判し、「悪い取引は受け入れない」と表明していた。ロイター通信が26日伝えた。

　トランプ氏は、雇用の減少やサプライチェーンの崩壊、企業の流出に直面した中国が合意を急ぐ半面、米国は多額の関税収入を得ているとの持論を改めて展開した。トランプ米政権で対中交渉を担当する米通商代表部（USTR）のライトハイザー代表は、両国の協議は「信頼関係を構築し、誠意を見せる段階」にあるとした上で、「大統領が良いディールだと判断すれば合意する。そうならない場合は、関税を継続する」と述べた。

　米国と中国は10月上旬にワシントンで貿易問題を巡る閣僚級協議を開く予定。中国の劉鶴副首相が率いる代表団が訪米し、ライトハイザー氏やムニューシン米財務長官らとの交渉に臨む。