19日の香港市場は買い優勢も上値の重い展開か。注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場の予想通り政策金利を0.25ポイント引き下げることが決定。年内の追加利下げが明確に示唆されなかったが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が記者会見で、金融緩和に柔軟な姿勢を示した。中国本土では中国人民銀行(中央銀行)が週初に預金準備率の引き下げを実施。あすにも最優遇貸出金利(LPR)を引き下げるとの見方が広がっており、世界的な金融緩和の動きは香港市場でも好感されるだろう。
もっとも、中国の景気減速への警戒感が根強いなかで上値は重くなりそうだ。ハンセン指数は週初以降、下落が続き、50日移動平均(18日大引け時点で26929.02ポイント)や10日移動平均(同26883.97ポイント)を下回った。週初に急騰した原油先物価格の下落、混乱が収束しない香港情勢なども相場の重荷となるだろう。
なお、18日の米NY株式相場はほぼ変わらず。FOMCの結果発表後は失望売りが広がったが、パウエル議長の記者会見を受けて下げ幅を縮めた。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、中国IT大手のテンセント(
00700)、本土国有銀行大手の中国建設銀行(
00939)、中国石油メジャーのCNOOC(
00883)が香港終値を下回った半面、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)、本土生保大手の中国人寿保険(
02628)が上回って引けた。