12日の香港市場は上値の重い展開か。前日の米株高などを好感する半面、直近の株価上昇を受けた利益確定売りが相場を重くするだろう。11日の米NY株式相場は主要3指数がそろって上昇。景気減速懸念がやや後退し、投資家が資金を景気敏感株に移す動きが続いた。また、米中貿易摩擦を巡っては、中国政府が11日に対米追加関税の対象としていた製品の一部除外を発表。トランプ米大統領は10月1日予定の対中関税引き上げを15日に先送りすると表明しており、同問題への警戒感が和らぎそうだ。
一方、ハンセン指数は前日に6週間ぶりの高値を付けたが、9月に入って1400ポイント程度上昇しているだけに目先の利益を確定する売りが出やすい環境。前日は香港関連銘柄が急騰したが、香港情勢への懸念は依然根強い。中国本土であすから中秋節の3連休を控え、材料難になりやすいことも相場の重しとなるだろう。
なお、11日の香港株の米国預託証券(ADR)はロンドン証券取引所に合併を提案した香港証券取引所(
00388)、中国石油メジャーのCNOOC(
00883)、香港都市ガス事業者のホンコン・チャイナガス(
00003)などが香港終値を下回った半面、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)が上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約110ポイント超下回る水準で寄り付くことになる。