23日の香港市場は方向感に乏しい相場か。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホール会合での講演を日本時間23日夜に控え、米金融政策を見極めたいとして様子見気分が強まりそうだ。決算発表が相次ぐなか、業績を受けた個別物色が売買の中心になると予想する。きょうはハンセン指数構成銘柄のシノペック(
00386)、中国神華能源(
01088)、AIAグループ(
01299)、瑞声科技(
02018)などが2019年6月中間決算を発表する。
22日の米債券市場では一時、米10年債利回りが2年債利回りを下回る逆イールドが発生し、米景気の先行き不透明感が改めて意識された。米カンザスシティー連銀のジョージ総裁やフィラデルフィア連銀のハーカー総裁が継続的な利下げに消極的な姿勢を示したことも、投資家心理を冷やしそうだ。半面、ハンセン指数は前日に心理的節目の26000ポイントに迫る水準に下げて終えており、下値が堅い相場が予想される。米中貿易摩擦への警戒感がくすぶるものの、中国政府が内需刺激策を打ち出すとの観測から関連銘柄が買われる場面もありそうだ。
22日のNY株式相場はダウ平均が続伸した一方、ハイテク株主体のナスダック総合株価指数は反落した。寄り付き後に発表された8月のマークイット米製造業PMI速報値が49.9と、市場予想の50.5を下回り、好況・不況の分かれ目となる50をほぼ10年ぶりに下回った。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。時価総額が大きいテンセント(
00700)や中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)などが香港終値を下回った半面、香港公益株のホンコン・チャイナガス(
00003)、中国政府系投資持ち株会社の中国中信(
00267)などが上回って終えた。