25日の香港と中国本土A株市場で中国の中堅商業銀行、招商銀行(
03968/
600036)が急落。前場終値はH株が前日比8.99%安の37.95HKドル、A株が6.80%安の35.38元。招商銀行と関係する私募ファンドがデフォルトを起こしたとの報道に加え、本土系銀行3行が対北朝鮮制裁に違反した疑いを外電が報じたことが嫌気されているもよう。同業の交通銀行(
03328/
601328)、青島銀行(
03866)、中国銀行(
03988/
601988)も売られている。
『香港経済日報』によると、招商銀行と関係のあると称した私募ファンド「中金国瑞」がデフォルトを起こし、一夜にして9億4000万元の資産が消え、500人の投資家が被害にあった。招商銀行の本部ビルに入居していた中金国瑞は5月22日、突然ファンドの清算を宣告し、資金の募集を停止した。元本の償還を約束したものの、同ファンドの実質支配者が資産を持ち出して姿を消した。5月10日時点で中金国瑞の発表に基づいたファンド資産は9億4000万元だったが、現在は口座に全く資金が残っていないという。
一方、『AAストックス』が米紙ワシントンポストを引用し、対北朝鮮制裁違反を巡る調査で、中国本土系銀行3行が米裁判所の召喚状を軽視・拒否した疑いがあると報じた。銀行名は明かされていないものの、過去には交通銀行、招商銀行、上海浦東発展銀行(
600000)が北朝鮮のマネーロンダリングに関わったとの報道があった。