11日の香港株式市場でハンセン指数は4営業日続伸。終値は前日比0.76%高の27789.34ポイントだった。中国企業指数は0.89%高の10620.13ポイント。メインボードの売買代金は概算で916億HKドルだった。
ハンセン指数は小高く寄り付き、前場に上げ幅を拡大。終値は5月17日以来ほぼ4週間ぶりの高水準となった。米国の早期利下げや中国の金融緩和への期待が高まり、投資家が運用リスクをとりやすくなった。前日の米株高に加え、きょうの中国本土相場で幅広いセクターが買われて大幅高となり、買い安心感が広がった。ただ、米中対立の長期化懸念は根強い上、週内に中国の主要経済指標の発表を控え、高値圏では利益確定売りが出やすい状況。相場の強気と弱気の分かれ目とされる250日移動平均(大引け時点で27747.63ポイント)は上抜いた中盤以降は、上値の重さが目立った。セクター別では、素材や工業、金融が高かった半面、通信が逆行安を演じた。
ハンセン指数構成銘柄では、中国工商銀行(
01398)や中国平安保険(
02318)など銀行・保険株が軒並み高となり、相場の上昇を主導した。香港証券取引所(
00388)が大きく買われている。アリババ・グループ(BABA)が早ければ数週間以内に香港上場を申請すると伝わり、材料視された。スマートフォン部品メーカーの瑞声科技(
02018)と乳製品メーカーの中国蒙牛乳業(
02319)は続伸。香港コングロマリットの新世界発展(
00017)も高い。半面、前日高かった中国政府系不動産デベロッパーの中国海外発展(
00688)、石油大手のCNOOC(
00883)が反落した。
中国企業指数構成銘柄では、インフラ建設の中国中鉄(
00390)と中国交通建設(
01800)、建材の中国建材(
03323)と安徽コンチセメント(
00914)の大幅上昇が目立った。中国政府が地方政府債券で調達した資金を重要プロジェクトの資本金に充てることを認める規制緩和を打ち出し、関連銘柄に買いが入った。証券大手の海通証券(
06837)、中信証券(
06030)も大幅高。一方、通信キャリアのチャイナ・テレコム(
00728)、発電大手の華能国際電力(
00902)が続落した。