29日の香港市場は買い先行も方向感の乏しい展開か。前日のNY市場で金融やIT関連を中心に上昇し、ダウ平均とハイテク比率の高いナスダック総合がそろって反発したことが投資家心理の改善につながりそうだ。トランプ米政権の通商政策を巡り、28日には目立った動きがなかった。米中貿易摩擦の激化に対する警戒感がやや和らぎ、NY市場では自律反発を狙った買いが優勢だった。香港市場ではハンセン指数が前日に4日ぶりに反発したものの、テクニカル指標RSIは売られすぎの基準を下回る水準にある。貿易戦争から影響を受けにくいセクターを中心に、値ごろ感の出た銘柄の物色が相場を支えよう。
一方、来週7月2日の香港市場は香港特別行政区設立記念日の振り替えのため休場。トランプ米政権の通商政策を巡る先行き不透明感が根強い中、積極的な買いは入りにくい状況。
6月30日と7月2日に官民の6月中国製造業購買担当景気指数(PMI)の発表が予定されていることもあり、結果を見極めたい投資家心理から手控えムードが広がると予想する。連休前の手じまい売りも相場を押し下げる可能性がある。
前日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。主力株では欧州金融のHSBC(
00005)、ITの大手のテンセント(
00700)、通信キャリアのチャイナ・モバイル(
00941)が香港終値を上回った半面、石油メジャーのCNOOC(
00883)、ペトロチャイナ(
00857)、アジア生保のAIAグループ(
01299)などが下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約100ポイント近く上回る水準で寄り付くことになる。