27日の香港市場は買い戻しが優勢も上値の重い展開か。26日のNY株式相場は主要3指数がそろって反発。前日の大幅安の反動で買い戻しが優勢となったが、トランプ米政権の通商政策の不透明感が上値を抑えた。香港市場では、ハンセン指数が前日に取引時間中として17年12月8日以来の安値を更新するなど6カ月ぶりの安値圏にあるだけに買い戻しが入りやすい環境。ただ、米政権が6月末までに対中投資制限策などを発表するのを控え、投資家の慎重姿勢は続きそうだ。米国の一連の通商政策を受けて、カナダ政府は中国などからの鉄鋼の輸入に制限をかける準備を始めたもよう。人民元の対米ドル相場の低下が続いていることや、前日に中国本土市場からの相互取引制度を通じた香港株売買が大きく売り越しとなったことも相場を重くするだろう。
26日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融大手のHSBC(
00005)、中国石油メジャーのCNOOC(
00883)、通信キャリア大手のチャイナ・モバイル(
00941)が香港終値を上回った半面、中国IT大手のテンセント(
00700)やマカオカジノのサンズ・チャイナ(
01928)が下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約110ポイント近く上回る水準で寄り付くことになる。