26日の香港株式市場でハンセン指数は続落。終値は前日比0.28%安の28881.40ポイントだった。中国企業指数は0.80%安の11118.89ポイント。メインボードの売買代金は概算で1247億7000万HKドル。
ハンセン指数は米株安の流れを引き継ぎ安く寄り付いた後、序盤は下値を探る展開。トランプ米政権が中国の知的財産侵害への対策を強化するため、中国企業による対米投資制限とIT技術の流出規制の原案を6月末までに発表する見込みと伝わり、米中摩擦の激化を懸念する売りが先行した。指数は一時下げ幅を1.5%超に広げ、取引時間中として17年12月8日以来の安値を更新。ただ、28500ポイント付近で下げ渋ると、その後は下げ幅を縮小した。プラス圏に浮上し、心理的節目の29000ポイントに乗せる場面もあったが、同水準付近では売り圧力が強まった。安値拾いの買いが相場をある程度支える一方、貿易摩擦を巡る警戒感が根強く、投資家の慎重な姿勢が依然として目立った。
ハンセン指数構成銘柄では、本土不動産株の碧桂園(
02007)が大幅に続落。BOAメリルリンチは碧桂園の先行きに慎重な見方を示し、弱気投資判断を継続した。民営自動車メーカーの吉利汽車(
00175)、石炭大手の中国神華能源(
01088)が2%前後の下げ。アップル関連銘柄の瑞声科技(
02018)は大きく続落した。半面、同じく携帯部品メーカーの舜宇光学科技(
02382)は朝安後に上昇に転じた。香港公益株の中電控股(
00002)、電能実業(
00006)、医薬品メーカーの石薬集団(
01093)が高い。通信キャリアのチャイナ・モバイル(
00941)も買われた。同社を含む中国通信キャリア3社が出資する通信鉄塔の運営会社、中国鉄塔が7月下旬にも香港市場に上場すると報じられた。
H株では、海運大手の中遠海運控股(
01919)、建材メーカーの中国建材(
03323)安徽コンチセメント(
00914)、風力力発電関連の新疆金風科技(
02208/
002202)、華能新能源(
00958)、龍源電力(
00916)の下げが目立った。人民元安を嫌気して中国南方航空(
01055)、中国国際航空(
00753)など航空株が安い。半面、前日に約18%下げた環境マネジメント企業の東江環保(
00895)が反発。米当局による制裁解除に向けて新たな会長が決まったと伝わった通信設備の中興通訊(
00763)も反発した。