週明け16日前場の香港株式市場でハンセン指数は3営業日続落。前場終値は前営業日比1.47%安の30355.93ポイントだった。中国企業指数は1.87%安の12031.73ポイント。半日のメインボードの売買代金は概算で590億5600万HKドルだった。
ハンセン指数は小高く寄り付いた直後にマイナス圏に沈み、次第に下げ幅を広げる展開。米英仏がシリアのアサド政権の化学兵器関連施設を空爆したことを受け、幅広いセクターで地政学的リスクを意識した売りが優勢となった。トランプ米大統領が14日、「任務は完了した」とツイッターに投稿したことで、シリア攻撃は一過性との見方から朝方は買いが入ったものの、勢いは続かなかった。中国本土相場の下落も地合い悪化の要因。13日大引け後に中国人民銀行(中央銀行)が発表した金融統計は、3月末のマネーサプライM2と人民元建て貸付残高増加額がともに予想を下回り、中国景気の減速懸念が浮上した。中国の1−3月期国内総生産(GDP)の発表をあすに控え、積極的な買いを控える気分も強い。ただ、ハンセン指数が下値抵抗として意識された10日移動平均(前引け時点で30348.87ポイント)を割り込む水準では買い戻しが入り、同水準を守って前場の取引を終えた。
個別では、AIAグループ(
01299)や中国建設銀行(
00939)、テンセント(
00700)など大型株が総じて売られ、相場を押し下げた。不動産株の碧桂園(
02007)と華潤置地(
01109)は大幅に続落。カジノ株の銀河娯楽(
00027)も安い。中国政府が海南省に設置する自由貿易試験区で、競馬などのスポーツくじを導入するとの見方から、競合するマカオのカジノ銘柄に売りが出たもよう。半面、前週末に下げた乳製品大手の中国蒙牛乳業(
02319)が反発。原油高を背景にCNOOC(
00883)も高い。中銀香港(
02388)は香港銀行間取引金利(HIBOR)の上昇に伴う利ざや拡大期待から買われた。