週明け16日の香港市場で、ハンセン指数は小反発して寄り付いた直後に下げに転じた。米国が前週末、英仏と共同でシリアのアサド政権の化学兵器関連施設を空爆したことで、投資家がリスクオフ姿勢を強めた。中国本土相場の下落も地合い悪化の要因。13日大引け後に中国人民銀行（中央銀行）が発表した金融統計は、3月末のマネーサプライM2と人民元建て貸付残高増加額がともに予想を下回った。米国との貿易紛争懸念がくすぶるなか、中国景気の減速を警戒する売りが出ているもよう。

　指数は日本時間午前10時56分現在、前営業日比1.06％安の30481.510ポイントで推移。個別では、本土系銀行株の中国建設銀行（00939）と中国工商銀行（01398）、ハイテク株のテンセント（00700）と瑞声科技（02018）が売られている。カジノ株の銀河娯楽（00027）の下げがきつい。半面、石油株のCNOOC（00883）、香港を地盤とするハンセン銀行（00011）や中銀香港（02388）が上昇している。

　週明け16日の中国本土株式市場で上海総合指数は、売り優勢でスタート。週末発表の貿易や金融統計が弱い内容だったことに加え、シリアを巡る地政学リスクの高まりなどが嫌気されている。指数は午前10時46分現在、前営業日比0.57％安の3141.14ポイントで推移。セクター別では、銀行、石炭、鉄鋼、自動車などが売られる一方、軍需関連や、原油相場の上昇を手がかりに石油が高い。

　16日の上海A株市場では日本時間午前10時40分現在、上海飛楽音響（600651）が10.01％安と上海A株銘柄（ストックコネクト対象銘柄）の中で値下がり率1位となっている。上海A株銘柄の寄り付き下落率トップ10は次の通り。

◆上海A株銘柄（ストックコネクト対象銘柄）の寄り付き下落率トップ10
　更新時間：2018/4/16 10:40 （日本時間）

  銘柄名                          株価  騰落率

                                  （元） （％）

 1 上海飛楽音響（600651）          7.100 -10.01%

 2 上海宏達鉱業（600532）          7.380  -8.66%

 3 *ST鄭州煤電（600121）           5.040  -7.35%

 4 新疆友好（600778）              5.280  -5.55%

 5 香溢融通控股集団（600830）      7.290  -5.32%

 6 中国船舶工業（600150）         18.370  -5.21%

 7 正源控股（600321）              2.890  -4.93%

 8 亜翔系統集成科技（603929）     25.120  -4.85%

 9 安源煤業集団（600397）          2.760  -4.83%

10 中国科技出版伝媒（601858）     10.650  -4.83%