香港の総合建設大手、中国建築国際（03311）は21日、機関投資家向けに米ドル建て社債を発行することについて、引受幹事と契約したと発表した。発行するのは2022年11月満期で元金5億5000万米ドルの社債と、2027年11月満期で元金2億5000万米ドルの社債の2種類。それぞれ額面の99.982％、99.688％で割引発行。年利は各3.375％、3.875％。

　正味調達金額は7億9700万米ドルの見通し。調達した資金は債務返済、既存・新規プロジェクトへの資金注入、運転資金などに充当する予定。

　中国建築国際の21日終値は前日比0.59％安の10.06HKドル。

　22日の香港市場は前日の欧米株高の流れを引き継ぎ買い先行で始まるか。21日の欧州株式市場はドイツ株やロンドン株がともに上昇。NY市場では主要3指数がそろって市場最高値を更新した。世界の主要市場で株高が進むなか、投資家がリスクを取る姿勢が続いた。香港市場では、中国本土市場が連日上昇したことや、相互取引制度を通じた本土からの資金流入を背景に、ハンセン指数が07年11月以来の30000ポイントを試すとの観測（香港経済日報）が強い。ハンセン指数の取引時間中の史上最高値は07年10月30日に付けた31958.41ポイント、終値ベースは同日に付けた31638.22ポイント。

　もっとも買い一巡後は上値の重い展開が予想される。ハンセン指数は10年1カ月ぶりの高値圏にあるだけに、目先の利益を確定する売りが出やすい状況。米国では23日から感謝祭を祝う「ホリデー週末」に入るため、香港市場でも様子見姿勢が強まる可能性がある。

　なお、21日の香港株の米国預託証券（ADR）は、中国IT大手のテンセント（00700）、本土金融大手の中国建設銀行（00939）、中国工商銀行（01398）、中国平安保険（02318）など大型株が総じて香港終値を上回った。

　香港証券取引所は21日、上海市場との相互株式取引「滬港通（上海・香港ストックコネクト）」の同日の統計を発表した。うち、香港株に投資する「港股通（サウスバウンド・トレーディング）」の取引状況は次の通り。

■港股通（上海→香港）
　当日の売買代金　150億5755万HKドル
　　　　　買い代金　81億5954万HKドル
　　　　　売り代金　68億9801万HKドル

■当日の売買代金上位10銘柄

                                  売買代金 買い代金

  1 ﾃﾝｾﾝﾄ（00700）                     2,266    1,437

  2 中国工商銀行（01398）              1,310      583

  3 中国平安保険（02318）                984      851

  4 中国太平洋保険（02601）              586      491

  5 HSBC（00005）                        413        2

  6 融創中国（01918）                    400      169

  7 SMIC（00981）                        383      139

  8 新華人寿保険（01336）                361      251

  9 国薬控股（01099）                    324        5

 10 中国太平保険（00966）                322      163
   *金額単位は百万HKドル