11日の香港株式市場で、ハンセン指数は続落。終値は前日比1.29%安の28311.69ポイントだった。中国企業指数は1.54%安の10658.26ポイント。メインボードの売買代金は概算で959億3000万HKドルだった。
ハンセン指数は大幅安で寄り付いた後、終始マイナス圏で推移した。米トランプ政権が日本時間11日朝、中国の知的財産侵害に対する追加制裁措置として、食料品や素材など2000億米ドル規模、6031品目の中国製品に10%の上乗せ関税を課す原案を発表。米中貿易摩擦の一段のエスカレートや中国経済に与える悪影響を懸念する売りが優勢だった。もっとも、中国が直ちに具体的な報復措置を発表しなかったこともあり、売り一巡後は下げ幅をやや縮小する場面もあったが、買い戻しの勢いは弱かった。前場中盤以降、指数はおおむね28150−28300ポイントのレンジでもみ合った。なお、中国商務部は同日昼過ぎに談話を発表し、米追加関税措置は「断じて受け入れられない」とした上で、「これまでと同様に必要な対抗措置を取らざるを得ない」と表明した。
ハンセン指数構成銘柄で上昇は石薬集団(
01093)と銀河娯楽(
00027)の2銘柄のみ。中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)、中国平安保険(
02318)など本土金融株や、欧州金融のHSBC(
00005)、IT大手のテンセント(
00700)といった主力株の売りが指数を押し下げた。乳製品メーカーの中国蒙牛乳業(
02319)、石炭大手の中国神華能源(
01088)、本土不動産デベロッパーの碧桂園(
02007)、中国海外発展(
00688)の下げが目立った。
H株では、通信設備メーカーの中興通訊(
00763)、風力発電事業者の大唐新能源(
01798)、不動産大手の万科企業(
02202)が大幅安。オフショア・オンショア人民元相場で一時、元安が急速に進んだことを嫌気して、航空大手の中国南方航空(
01055)、中国国際航空(
00753)が大きく売られた。半面、「H株全流通」の試行申請が中国証券監督管理委員会(CSRC)に認可された医療機器メーカー、ウェイガオ・グループ(
01066)が大幅高。造船大手の中船防務(
00317)、ディーゼルエンジンメーカーのウェイチャイ・パワー(
02338)、通信支援サービス会社の中国通信服務(
00552)なども逆行高を演じた。