26日の香港市場は神経質な展開か。強弱材料が入り交じり、相場の方向感は乏しいと予想する。足元で米長期金利の指標である10年債利回りは節目の3%を超え、なお上昇している。主要通貨に対する米ドルの総合的な強さを示すドルインデックスも1月中旬以来の高水準に戻った。香港市場では資金流出懸念が強まる半面、金利上昇による利ざや拡大の恩恵を受ける金融株が買われそうだ。決算や業績見通しを手掛かりとする個別銘柄の物色も引き続き活発だろう。きょうはハンセン指数構成銘柄のシノペック(
00386)、中国海外発展(
00688)、中国建設銀行(
00939)、中国平安保険(
02318)、中国人寿保険(
02628)が2018年1−3月期決算を発表する。
25日のNY市場はダウ平均が6営業日ぶりに反発したものの、ハイテク株主体のナスダック総合は小幅ながら5営業日続落した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。欧州の銀行最大手HSBC(
00005)や中国の生保大手の中国平安保険、携帯通信最大手のチャイナ・モバイル(
00941)が香港終値を上回った一方で、中国IT大手のテンセント(
00700)や、香港地盤のハンセン銀行(
00011)と中銀香港(
02388)が下回って終えた。
米国と中国の貿易と知的財産権を巡る対立への懸念は依然としてくすぶる。もっとも、ムニューシン米財務長官らが来週にも訪中して通商交渉を正式に開始すると伝わっており、警戒感がひとまず和らぐ可能性もある。中国人民銀行(中央銀行)の流動性措置も材料視されるだろう。25日は預金準備率引き下げにより商業銀行が融資に回せる資金が4000億元拡大した半面、公開市場操作(オペ)はリバースレポ(売り戻し条件付き債券購入)償還に伴い1500億元の吸収超過となった。26−27日には計2900億元のリバースレポが償還期限を迎えることから、人民銀が資金供給オペを見送れば銀行間市場の資金需給が引き締まることになる。