14日の香港市場は、強弱材料が入り交じり神経質な展開か。13日大引け後に中国人民銀行（中央銀行）が発表した10月の金融統計は、広義のマネーサプライM2の伸び率と人民元建て貸付残高増加額がともに市場予想を下回った。足元の中国景気に対する懸念が強まれば、中国本土系の銘柄を中心に売りが出てハンセン指数の重荷となりそうだ。きょう午前発表の鉱工業生産など中国の10月主要経済指標の結果が注目される。

　もっとも、中国本土市場と香港市場の先高観は根強い。上海総合指数が前日まで6連騰するなか、相互取引制度を通じて本土から流入する資金が香港の株式相場を支えている。一方、13日のNY市場ではダウ平均が3営業日ぶりに反発するなど主要3指数がそろって上昇しており、投資家心理の支えとなろう。同日の香港株の米国預託証券（ADR）は高安まちまち。中国IT大手テンセント（00700）や携帯通信最大手チャイナ・モバイル（00941）、生保大手の中国平安保険（02318）が香港終値を上回った半面、銀行株のHSBC（00005）と中国建設銀行（00939）、香港不動産投資部門の九龍倉置業地産（01997）を23日に分離上場するワーフ（00004）が下回って引けた。

　13日のNY株式相場は小幅上昇。アジア、欧州株安や米税制改革実現が懸念され軟調にスタートしたが、その後買い戻された。ダウ平均は朝方に79米ドル近く下落したものの、17.49米ドル高（+0.07％）と3日ぶりにわずかに反発して終了。減配が嫌気されたゼネラル・エレクトリックが7％超下落したが、マクドナルド、P&Gが約1％上昇したほか、ホーム・デポ、ユナイテッドヘルス、ボーイングなどの値嵩株も堅調となりダウ平均を支えた。S&P500も3日ぶりに小幅反発し、ナスダック総合は小幅に続伸し、3指数そろっての上昇となった。

　週明けで材料が乏しいなか、買収関連などの個別材料株が動意づいた。玩具メーカーのマテルが同業のハズブロによる買収観測を好感し20.66％高と急騰。ハズブロも5.88％高となった。半導体のクアルコムも2.97％高。同業のブロードコムの買収提案を拒否したことで、買収価格引き上げの思惑が高まった。一方、ダウ平均採用銘柄のゼネラル・エレクトリックが急落。CEOが配当金を半減させると発表したことが嫌気された。株価は1.47米ドル安（-7.17％）となったがダウ平均への下落寄与は10.12米ドルと影響は小幅にとどまった。

海外市況

 指標                        寄値      高値      安値      終値    前日比   騰落率

 NYダウ                    23367.47  23461.68  23343.34  23439.70    17.49    0.07

 S&P500                     2576.53   2587.66   2574.48   2584.84     2.54    0.10

 NASDAQ                     6727.39   6766.30   6723.43   6757.60     6.66    0.10

 CME225先物                22505.00  22625.00  22120.00  22365.00    85.00    0.38

 FT100                      7432.99   7469.30   7402.95   7415.18   -17.81   -0.24

 DAX                       13150.78  13163.94  12960.65  13074.42   -53.05   -0.40

 為替（ドル/円）             113.48    113.71    113.25    113.63     0.10    0.09

 WTI先物                      56.90     57.15     56.30     56.76     0.02    0.04

 金（Gold）先物             1275.30   1279.90   1274.40   1278.90     4.70    0.37

 ※CME225先物は円建て。前日比は前日の大証日中終値比を記載。

　本日から取引停止になる銘柄と取引再開になる銘柄は次の通り。
　※対象はB株と日本の個人投資家が取引可能な上海A株、深センA株

★以下の銘柄は本日から取引再開
該当なし

★以下の銘柄は本日から取引停止
◇浙江海正薬業（600267）：重要公告発表のため