15日の香港市場は前日の欧米株高の流れを引き継いで買いが先行か。北朝鮮と米国の軍事衝突への懸念がいったん和らぎ、市場でリスク回避の動きが緩むと予想する。トランプ米大統領が中国の習近平国家主席と電話会談し、北朝鮮の非核化に向けて連携を強めていくことを確認した。米政府高官もまず外交的な解決を目指す考えを相次いで表明し、投資家心理を支えそうだ。決算発表や業績見通しを受けた個別銘柄の買いも引き続き相場を押し上げるだろう。あすはハンセン指数構成銘柄の吉利汽車(
00175)、キャセイ・パシフィック(
00293)、テンセント(
00700)が中間決算を発表する。
もっとも、地政学リスクが市場心理に落とす影は消え去ってはおらず、ハンセン指数が10日移動平均(14日大引け時点で27512.14ポイント)に接近する水準では上値が重い展開がありそうだ。また、ニューヨーク連銀ダドリー総裁が14日、「年内に残り1回の利上げを支持する」と述べたと伝わり、米利上げペースが鈍化するとの観測が後退。米長期金利と主要通貨に対する米ドル相場が上昇したことで、香港を含む新興国市場への資金流入を見込んでいた投資家の心理を冷やす可能性がある。米ドル高の半面、14日のNY市場で原油先物相場が反落したことも、関連銘柄の売り材料となろう。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。中国IT大手のテンセント(
00700)や、保険株のAIAグループ(
01299)、中国平安保険(
02318)が香港終値を上回ったものの、銀行株のHSBC(
00005)、中国建設銀行(
00939)、中国銀行(
03988)は下回って引けた。