25日の香港市場は売り先行か。前日のNY市場でダウ平均が3日続落した。25−26日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることもあり、前週後半に最高値を付けた後とあって利益をひとまず確定する売りが優勢だった。また、大引け後に2017年4−6月期決算を発表したインターネット検索大手グーグルの持ち株会社、アルファベットの株価は時間外取引で一時3%余り下落した。売上高とEPSが市場予想を上回ったにもかかわらず、株価水準の高さゆえに「予想以上の決算に対して市場は冷淡だった」との指摘も聞かれる。香港市場は2年1カ月ぶりの高値圏で推移しているだけに、イベントを前に利益確定売りが出やすい環境にある。相場をけん引したテンセント(
00700)などIT関連株に売りが波及すれば、相場の重しとなろう。
一方、下値は限られると予想する。米国の年内利上げの公算が小さくなったとの見方が広まる中、香港市場への資金流入期待が根強い。このところ中国人民銀行(中央銀行)が市場への資金供給を続けていることや、中国本土市場との相互取引制度を通じて香港市場に投じられる「南向き」資金の流入が続いていることも投資家心理を支えよう。中間期業績や業績見通しを手掛かりとした物色も引き続き活発になりそうだ。なお、24日の香港株の米国預託証券(ADR)は、テンセントや欧州金融大手のHSBC(
00005)、アジア生保のAIAグループ(
01299)が香港終値を上回った半面、大手国有銀行の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)、長江系列の長江和記実業(
00001)、電能実業(
00006)が下回って引けた。