23日の香港市場は買いが先行か。前日のNY市場でダウ平均が3営業日続伸。前週の急落後も相場が底堅く推移したのを受けて市場心理が改善し、ハイテク株を中心に買い戻しが広がった。原油先物相場も減産延長期待を背景に4日続伸となり、一時は1カ月ぶり高値を付けた。良好な外部環境に加え、香港市場ではこのところ本土マネーの流入が加速しているとの観測も高まっており、引き続き投資家心理を支えよう。

　ただ、ハンセン指数は前日まで続伸し、2015年7月以来、1年10カ月ぶり高値を再び更新しただけに、高値警戒感がくすぶる。前日も指数が序盤に上げ幅を広げたものの、上昇率が1％に迫る水準では伸び悩んだ。上値の重さが意識されれば、目先の利益をひとまず確定する売りが相場を押し下げる要因になる。きょう朝方には英国で22日にコンサート会場で爆発があり、複数の死傷者が出たと伝わった。警察がテロ事件として捜査しているとの報道もあり、事態の進展によってはリスク回避の動きが速まる可能性もある。

　22日の香港株の米国預託証券（ADR）は、欧州金融大手のHSBC（00005）が香港終値を下回って引けた一方、IT大手のテンセント（00700）、通信キャリアのチャイナ・モバイル（00941）、大手国有銀行の中国建設銀行（00939）、アジア基盤の保険会社AIAグループ（01299）、本土保険株の中国平安保険（02318）などが香港終値を上回った。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値をおよそ100ポイント余り上回る水準で寄り付くことになる。

　22日の米株式市場で、中国ネット・IT株は総じて堅調。中国のネット通販最大手アリババ・グループ（BABA）が前日比1.24％高の124.75米ドルと3日続伸。中国の検索エンジン最大手、百度（BIDU）は1.55％高の191.69米ドルと続伸した。シートリップ（CTRP）は3日ぶりに反落したが、捜狐（SOHU）が6.70％高と大幅に4日続伸。1−3月期決算で純利益が8.5倍に拡大したチーター・モバイル（CMCM）は7.49％高と大幅に3日続伸した。主な中国関連ネット・IT株の22日終値は次の通り。


　■アリババ・グループ（BABA）：124.75米ドル（+1.24％）
　■百度（BIDU）：191.69米ドル（+1.55％）
　■シートリップ（CTRP）：55.37米ドル（-1.39％）
　■JDドット・コム（JD）：41.66米ドル（+1.46％）
　■ウェイボー（WB）：80.75米ドル（+3.12％）
　■ネットイース（NTES）：293.68米ドル（+2.42％）
　■モモ（MOMO）：42.83米ドル（-1.72％）
　■レンレン（RENN）：7.10米ドル（-3.27％）
　■新浪（SINA）：105.14米ドル（+2.97％）
　■捜狐（SOHU）：49.22米ドル（+6.70％）
　■チーター・モバイル（CMCM）：11.34米ドル（+7.49％）

　香港証券取引所は22日、上海市場との相互株式取引「滬港通（上海・香港ストックコネクト）」の同日の統計を発表した。うち、香港株に投資する「港股通（サウスバウンド・トレーディング）」の取引状況は次の通り。

■港股通（上海→香港）
　当日の売買代金　66億6485万HKドル
　　　　　買い代金　43億9897万HKドル
　　　　　売り代金　22億6588万HKドル

■当日の売買代金上位10銘柄

                                  売買代金 買い代金

  1 ﾃﾝｾﾝﾄ（00700）                       653      572

  2 HSBC（00005）                        480      476

  3 新華人寿保険（01336）                310      263

  4 中国工商銀行（01398）                298      267

  5 中国銀行（03988）                    261      239

  6 中国平安保険（02318）                256      199

  7 中国恒大集団（03333）                213      110

  8 招商銀行（03968）                    190      171

  9 中国神華能源（01088）                158       97

 10 吉利汽車（00175）                    156      100
   *金額単位は百万HKドル