21日の香港株式市場でハンセン指数は4営業日続伸。終値は前日比0.37%高の24593.12ポイントだった。H株指数は0.57%高の10644.15ポイント。メインボードの売買代金は概算で951億8000万HKドル。
ハンセン指数は高寄り後に3営業日連続で取引時間中の昨年来高値を更新。その後は上げ幅を縮め、プラス圏でのもみ合いに終始した。このところ売買代金は高水準が続き、本土マネーの流入が加速しているとの思惑が地合いを支えた。米連邦準備理事会(FRB)が利上げを決めて以降、主要通貨に対する米ドル相場や米国債利回りがおおむね弱含んでいることを受け、新興国からの資金流出懸念が後退したことも安心感につながった。ただ、指数は昨年8月以来、約1年7カ月ぶりの高値水準で推移しているだけに、一段の上値追いに投資家は慎重だった。
ハンセン指数構成銘柄では、本土保険大手の中国平安保険(
02318)や、アジア生保のAIAグループ(
01299)、中国本土系銀行の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)など金融主力株が買われ、指数を押し上げた。一部都市での住宅購入制限策や住宅ローン規制の強化を嫌気して前日に下げた中国海外発展(
00688)、華潤置地(
01109)など本土不動産株が反発。大都市を中心とする不動産市場の引き締め強化を受けて投資マネーが「三線都市」、「四線都市」と呼ばれる地方都市に振り向けられ、こうした都市で事業を展開するデベロッパーに恩恵を及ぼすとの見方も浮上した。このほか、香港デベロッパーの信和置業(
00083)、石油メジャーのシノペック(
00386)の上昇が目立った。半面、前引け後に2016年12月本決算を発表した衛生用品大手の恒安国際集団(
01044)が後場から急落。前日に高かった石炭の中国神華能源(
01088)やマカオカジノの銀河娯楽(
00027)、サンズ・チャイナ(
01928)も売られた。ハンセン指数を構成する50銘柄のうち、31銘柄が上昇、6銘柄が変わらず、13銘柄が下落した。
H株では、2016年12月本決算の純利益が前年比2.1倍の中国アルミ国際工程(
02068)が16%超の大幅高。石化プラント大手のシノペック煉化工程(
02386)も高い。2016年12月本決算は5割減益となったものの、JPモルガンが業績の回復を見込んで目標株価を大幅に引き上げたことが手掛かりとなったもよう。ゴールドマン・サックスが業績の強気見通しを示したインフラ建設の中国交通建設(
01800)、中国中鉄(
00390)、中国鉄建(
01186)もそろって買われた。半面、監査法人が過年度の不正会計の疑いを指摘した瀋機集団昆明機床(
00300)が大幅安。前引け後に決算を発表した通信キャリアのチャイナ・テレコム(
00728)も売られた。H株指数を構成する50銘柄のうち、19銘柄が上昇、5銘柄が変わらず、16銘柄が下落した。