週明け23日の香港市場は神経質な値動きか。前週末は続落して心理的節目の23000ポイントを割り込んだだけに自律反発狙いの買いが入りやすい半面、新興国からの資金流出懸念がくすぶる。主要通貨に対する米ドルの強さを示すドルインデックスは足元で落ち着いているものの、米トランプ政権の経済政策が米ドル高につながるとの見方が根強い。20日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。欧州の銀行最大手HSBC(
00005)や中国石油メジャーのCNOOC(
00883)、生保大手の中国平安保険(
02318)などが香港終値を上回った一方で、中国4大商業銀行の中国工商銀行(
01398)と中国建設銀行(
00939)、香港系不動産大手の新鴻基地産(
00016)が香港終値を下回って引けた。
20日発表された2016年10−12月期の中国実質国内総生産(GDP)は、前年同期比伸び率が6.8%と市場予想を上回った。ただ、市場では投資や消費、輸出の先行きは楽観できないとの声が出ており、2017年も引き続き景気の下振れが警戒されている。中国人民銀行は20日、春節入り(27日)前の資金需要に対応して「臨時流動性制度」を通じて大型商業銀行に短期資金(償還期間28日)を供給すると発表した。短期金利の上昇に対応し、資金ひっ迫懸念を和らげる措置とみられる。もっとも、今年に入ってリバースレポ(売り戻し条件付き債券購入)や中期貸出制度(MLF)による資金供給規模が膨らんでいることから、春節明け後の巨額の償還が警戒されている。