19日の香港株式市場でハンセン指数は3日ぶりに反落。終値は前日比0.21%安の23049.96ポイントだった。H株指数は0.11%安の9792.37ポイント。メインボードの売買代金は概算で553億6100万HKドル。
ハンセン指数は小高く寄り付いたものの、直後に下げに転じ、マイナス圏でもみ合った。前日終値は2016年11月1日以来2カ月半ぶりの高値だっただけに、幅広いセクターで利益確定売りが先行。いったん和らいでいた新興国からの資金流出懸念が再浮上し、投資家心理が悪化した。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が18日の講演で利上げペースの加速を示唆したことを受けた米長期金利の上昇と、主要通貨に対する米ドルの強さを示すドルインデックスの反発が嫌気された。原油先物相場の反落も関連銘柄の売り材料となった。もっとも、心理的節目の23000ポイントを下回る水準では下げ渋り、前日回復していた同水準を守って引けた。セクター別ではエネルギー資源や不動産が売られた半面、保険や航空の一角が買われた。
個別では、エネルギー資源株のシノペック(
00386)、ペトロチャイナ(
00857)、中国神華能源(
01088)が売られて相場の下落を主導。香港系不動産デベロッパーの信和置業(
00083)や恒基兆業地産(
00012)、新世界発展(
00017)の反落も目立った。前日に業務改革計画を発表したキャセイ・パシフィック(
00293)は3.88%安と続落。2位株主である中国国際航空(
00753)が出資比率を引き上げるとの観測を否定したと伝わった。半面、米金利上昇が業績改善につながるとの思惑から、HSBC(
00005)とAIAグループ(
01299)が買われた。前日に逆行安を演じた中国旺旺(
00151)は反発。生保大手の中国平安保険(
02318)、中国人寿保険(
02628)も堅調だった。
H株では、石炭会社のイータイ・コール(
03948)や不動産会社の広州富力地産(
02777)が安い。金鉱株の招金鉱業(
01818)、紫金鉱業集団(
02899)も下げた。一方、空運の中国東方航空(
00670)や中国国際航空、韓国市場にSUVを投入した北京汽車(
01958)が高い。