9日の香港株式市場でハンセン指数は4日ぶりに反落。終値は前日比0.44%安の22760.98ポイントだった。H株指数は0.29%安の9867.95ポイント。メインボードの売買代金は概算で763億6300万HKドル。
ハンセン指数は反落スタート。前日のNY市場でダウ平均が4日連続で過去最高を更新するなど、欧米市場でリスクオンの動きが続いているが、香港市場はマカオで銀聯カードを使ったATM(現金自動預け払い機)の現金引き出し限度額が半減されるとの報道を手がかりに売りが先行した。本土住民がビザやマスターカード使って香港で保険を購入することがあす0時から禁じられることも一部で報じられており、中国本土からの資金流出を抑制する当局の規制強化が警戒された。銀聯カードを運営する中国銀聯がコメントで現行制度の変更を否定したと外電が伝えると、指数が下げ幅を縮める場面もあったが、終始マイナス圏で軟調に推移した。
ハンセン指数構成銘柄では、サンズ・チャイナ(
01928)と銀河娯楽(
00027)がともに7%を超す下げと、下落率1位、2位に沈んだ。香港を主要市場とするアジア保険大手のAIAグループ(
01299)が大幅続落。IT大手のテンセント(
00700)や中国石油メジャのペトロチャイナ(
00857)も売られ、指数を押し下げた。半面、ゴールドマン・サックスが強気買い推奨を継続した通信キャリアのチャイナ・ユニコム(
00762)が高い。新鴻基地産(
00016)、長江実業地産(
01113)など香港不動産株が大引けにかけて上げ幅を広げた。印紙税の引き上げなど、不動産市場に厳しい引き締め策を打ち出してきた梁振英・香港特別行政区長官が次の選挙に立候補しないと、午後の記者会見で表明したことが手がかりとなった。欧米売上比率の高い商社のリー&フン(
00494)も買われた。ハンセン指数を構成する50銘柄のうち、18銘柄が上昇、2銘柄が変わらず、30銘柄が下落した。
H株では、医薬卸売り大手の国薬控股(
01099)の下げが目立った。長城汽車(
02333)、BYD(
01211)など自動車株が安い。前日に5営業日ぶりに反発した万科企業(
02202)が反落。中国銀河証券(
06881)、海通証券(
06837)などの証券株も軟調。半面、鉄鋼先物価格の上昇を手がかりに馬鞍山鋼鉄(
00323)、アンガン・スチール(
00347)が買われた。コンテナ製造世界最大手の中国国際コンテナ(
02039)や炭鉱機械メーカーの鄭州煤鉱機械(
00564)も高い。H指数を構成する40銘柄のうち、10銘柄が上昇、4銘柄が変わらず、26銘柄が下落した。