4月の招福銘柄は、主に米中貿易戦争への警戒感で売られた銘柄の買い戻しを期待して選んだ。米中貿易戦争の回避に向けて進展があれば大きく反発する可能性があり、足元で調整している万洲国際(
00288)や舜宇光学科技(
02382)などが狙い目になりそうだ。このほか、決算発表と前後して大きく下げた北控水務集団(
00371)や中国南方航空(
01055)、テレビ販売が回復基調にあるスカイワース(
00751)もリバウンドを期待して選んだ。今月はこの5銘柄に注目したい。
■万洲国際(00288):米中の貿易摩擦懸念で株価急落、押し目買いの好機か
株価:8.36HKドル(3/29終値)
【豚肉生産の世界最大手】米中貿易摩擦に対する懸念から3月下旬に株価が急落しただけに、押し目買いの好機とみる。中国政府が米国産豚肉に対する追加関税を実施すれば、米国事業の業績が悪化するとの見方から株価は年初来安値を更新。ただ、米子会社は40カ国向けに豚肉を輸出しており、中国への輸出比率は5%程度に過ぎない。経営陣は貿易戦争が利益に及ぼす影響は限られるとの見方を示している。米中が最終的に貿易戦争を回避する可能性も高く、交渉に進展があれば買い戻しの材料となりそうだ。貿易戦争への懸念は行き過ぎとの声も多く、証券各社も同社に対する強気判断を継続している。
■北控水務集団(00371):3月下旬の決算発表後に急落、買い戻しに期待
株価:4.38HKドル(3/29終値)
【北京控股傘下の水処理会社】3月末の決算発表後に急落したことを受け、割安感が意識されそうだ。株価は3月28−29日の2営業日で13.8%下落し、18年予想PERが9.2倍に低下。同じ環境銘柄である中国光大国際(
00257)の11.1倍、中国水務集団(
00855)の12.4倍に比べてバリュエーション面で割安な水準にある。17年12月期決算は純利益が前年比15.2%増と市場予想から下振れたものの、決して悲観するような水準ではない。18年12月期の純利益は市場予想で20.5%増となっており、純利益の伸びが再び加速すると見込まれている。
■スカイワース(00751):18年3月本決算は大幅減益見込みもテレビ販売が回復基調
株価:3.53HKドル(3/29終値)
【中国の大手テレビメーカー】18年3月本決算の大幅減益が見込まれる一方、テレビ販売が回復基調にあることから、買い戻しの動きに期待したい。17年のテレビ販売は市場ニーズが低迷する中、同社も苦戦したが、年明け以降は前年同月比で2桁台の増加率に転じた。先月には同社のスマートテレビシステム運営を手掛ける子会社がネット検索大手、百度からの出資受け入れを発表。「ハード+コンテンツ」ビジネスのさらなる強化で挽回を図る方針を示している。株価は昨年12月に約5年半ぶりの安値を付けたが、底入れの動きが出ている。この1カ月で目標株価を引き上げる証券会社もみられ、さらなる買い戻しに期待したい。
■中国南方航空(01055):足元の大幅下落を受けてリバウンドに期待
株価:8.10HKドル(3/29終値)
【広州市に拠点を置く航空大手】足元の大幅な下落を受けてリバウンドに期待したい。先月発表した17年本決算は11%増収、18%増益でほぼ予想通りの内容。10−12月期に限ってみると原油高の影響で赤字を計上はしたものの、前年同期比で赤字額は縮小している。また、通期で座席利用率が過去最高水準まで上昇するなど経営指標も上向いており、当局がフライト総量を抑制する中、今後も需給の改善は進むと思われる。株価は2月の直近高値から23%下落しており、18年予想PERは10倍を割る水準まで低下。足元で人民元高が進んでいることも追い風となりそうだ。
■舜宇光学科技(02382):押し目買いの好機、米制裁関税の影響は限定的と見込む
株価:144.90HKドル(3/29終値)
【中国の光学部品メーカー】3月末にかけて株価が急落したことで、押し目買いが入りやすいと予想する。同月21日に上場来高値の171.60HKドルを付けたが、利益確定売りや米国と中国の貿易摩擦を警戒する売りが出て、月末までに16%近く下げた。ただ、同社米国事業の売上高比率は3%に満たず、大口顧客である中国スマートフォンメーカーや自動車会社の米国市場シェアは低く、米制裁関税が実施されても影響は限定的とみる。17年12月本決算は、主力製品の販売増と価格上昇が寄与して市場予想を上回る増益。好決算を支えたハイエンド部品の需要が短期的に急減するとは考えにくく、市場の好業績期待は維持されるとみる。