◇閲文集団
◇China Literature Ltd.
◇香港その他:00772
◆ポイント
◇オンライン小説部門が77%増収、ARPUは28%増
◇ライセンス事業の売上高は48%増、テレビやゲームの2次利用が増加
◇17年に翻訳作品の英語版を始動、将来的には日本語版も
◆17年に翻訳作品の英語版を始動、将来的には日本語版も
2017年12月本決算は売上高が前年比60.2%増の40億9500万元、純利益が15.2倍の5億5600万元だった。利用者の増加に加え、文芸作品の2次利用を通じたライセンス事業の急成長で、収益が大幅に増えた。執筆者への印税支払いの増加で売上原価は34.5%増の20億2000万元に膨らんだが、増収率を大きく下回ったことで粗利益率は前年の41.3%から50.7%に改善。営業費用にはばらつきもあったが、販売費の抑制が奏功し、営業利益は15.3倍の5億1100万元に急増している。
事業別の売上高はオンライン小説部門が77.3%増の34億2100万元だった。有料利用者数が月間平均で33.7%増の1100万人、1人当たりの月間収入(ARPU)が28.2%増の22.3元となり、部門収入を押し上げた。OPPOやvivo、華為技術などの大手端末メーカーと提携し、スマホに専用アプリをプリインストールする取り組みが奏功した。ラインセンス事業部門は売上高が48.0%増の3億6600万元。テレビドラマやアニメ、ゲーム、映画などの原作としてライセンスの付与が増えた。一方、紙の書籍の出版部門は事業展開の修正などが響き、10.3%減の2億100万元に縮小した。
18年には作品数や利用者数を増やす取り組みを継続し、規模の拡大を追求する方針。一方、17年に中国語作品の英訳を中心としたプラットフォーム「Webnovel」を始動させた。今後はタイ語、ハングル語、日本語、ベトナム語などに翻訳し、それぞれの国のネット事業者との提携を通じて作品の流通を目指す。
◆会社概要
中国語の文芸作品を中心にオンライン小説のプラットフォームを運営する。作品数、執筆者数、読者数などで中国最大。2017年末時点で1010万の文芸作品、690万人の執筆者を抱える。17年の平均月間利用者数は1億9200万人、有料ユーザー数は1100万人。自社の閲覧アプリ「QQ閲読」やウェブサイトを通じて作品を購読する仕組み。親会社のテンセント(
00700)のネットワークも活用する。
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