◇石薬集団
◇CSPC Pharmaceutical Group Ltd.
◇香港その他:01093
◆ポイント
◇新薬の製剤の売上高が28.5%増、営業利益率が改善
◇原薬ではビタミンC部門が好調、抗生物質部門は大幅減益
◇後発薬の世界的大手と提携、欧米市場で販売ライセンス供与
◆後発薬の世界的大手と提携、欧米市場で販売ライセンス供与
2016年1−9月期決算は売上高が前年同期比8.8%増の92億5000万HKドル、純利益が同26.1%増の15億6800万HKドルとなった。利益率の高い新薬の製剤の売上高が28.5%増の35億600万HKドルとなり、後発薬(3.7%増の31億2600万HKドル)の伸びを大きく上回ったことで、製剤部門の営業利益率が3.4ポイント高い29.1%に上昇。全体の営業利益は22.5%増の19億8600万HKドルに達した。
事業別では製剤部門の売上高が15.5%増の66億3200万HKドル、営業利益が30.5%増の19億2700万HKドルに伸びた。原薬事業ではビタミンC部門の売上高が12.3%増の10億2100万HKドル。利益は400万HKドルで、4200万HKドルの営業損失を計上した前年同期から黒字に転換した。技術力の向上に伴う生産コストの圧縮が奏功した。カフェイン・その他部門は売上高が13.4%増の5億7700万HKドル、利益が44.7%増の1億3100万HKドル。市況改善で価格が上昇する中、市場シェア拡大と生産コスト削減が寄与した。一方、抗生物質部門は売上高が24.0%減の10億2000万HKドル、利益が85.7%減の2400万HKドル。供給過剰で価格が下落し、収益が悪化した。
同社はこのほど、後発薬の世界的大手、テバファーマスーティカルと提携すると発表した。石薬集団が開発している抗生物質注射剤の後発薬の販売ライセンスを付与する。対象地域は米国と欧州連合(EU)で、テバに非臨床・臨床試験の実施、米国・EU市場での販売許可申請などを認め、製品を供給する計画。
◆会社概要
中国の医薬品メーカー。原薬や後発薬の製造が中核の医薬企業だったが、2012年に同業の石薬集団を買収し、主力の製剤部門に新薬開発を加えた。13年3月に中国製薬集団から社名を変更した。主な新薬は急性脳梗塞の治療薬「恩必普(NBP)」や認知症・記憶障害治療薬「欧来寧」、高血圧治療薬「玄寧」など。抗生物質やビタミンC、カフェインなど原薬の製造も手掛ける。
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