◇テンセント
◇Tencent Holdings Ltd.
◇ハンセン:00700
◆ポイント
◇ITサービスの間口を広げ、マネタイズを図る仕組みが機能
◇ネット付加価値サービスの売上高37%増、オンライン広告は65%増収
◇18日に初の200HKドル超え、決算好感で上場来高値を更新
◆18日に初の200HKドル超え、決算好感で上場来高値を更新
2016年6月中間決算は純利益が前年同期比40%増の199億2000万元となり、ファクトセットがまとめた市場コンセンサス予想の185億8600万元を上回った。売上高は同48%増の676億8600万元で、こちらもコンセンサス予想の652億6000万元から上振れている。月間アクティブユーザー数は「微信」がこの1年間で約2億人増えて8億600万人に達し、「QQ」が5600万人増の8億9900万人に拡大するなどサービス利用者の伸びは衰えていない。ITサービスの間口を広げ、マネタイズを図る仕組みが機能し、4割超の増収増益を達成した。部門別ではネット付加価値サービス(VAS)の売上高が37%増、粗利益も37%増。オンライン広告は65%増収、58%増益となった。
4−6月期決算は売上高が前年同期比52%増の356億9100万元、純利益が同47%増の107億3700万元となり、収益ともに四半期ベースの過去最高を更新した。部門別ではVASが39%増収。スマートフォンゲームに加え、映像やビデオ配信の有料サービスの伸びが顕著だった。オンライン広告の売上高は60%増。「微信」のニュースアプリの利用者が増え、パフォーマンスベース広告が80%増と大きく伸びている。
中間決算での好業績を受け、18日の香港市場では株価が大幅高。終値は5.2%高の203HKドルと初めて200HKドルを突破し、上場来高値を更新した。同社はこのところ、株高を生かして積極的に企業買収に乗り出している。ITサービス利用者の伸びに頭打ちも見込まれる中、買収の「目利き」が将来の成長力を左右しそうだ。
◆会社概要
中国のインターネットサービス大手。対話アプリ「微信(海外ではWeChat)」やポータルサイト「QQ.com」を基盤にゲームやオンライン決済サービス、動画配信などを展開する。2016年6月末時点の月間利用者は微信が8億600万人、インスタントメッセンジャー「QQ」が8億9900万人、SNS「Qzone」が6億5200万人。ネット通販の京東(JD.com)や民営銀行の深セン前海微衆銀行に出資。
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