2018-07-12 |
中国/業界動向/証券 |
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A株バリュエーションは歴史的低水準=新華社
中国国営新華社は12日、現在のA株市場では相場が下落するリスクよりも、優良銘柄の株価が上昇する余地がはるかに大きいとの見方を伝えた。足元で上海総合指数、深セン成分指数、創業板指数のPERはそれぞれ約12倍、20倍、30倍だと指摘。伝統的な産業セクターや景気循環株のバリュエーションが歴史的低水準にあり、リスク・リターン比率が顕著に上昇しているとした。
上海総合指数は今年1月29日に3587.03ポイントまで上昇し、取引時間中として2015年12月28日以来2年1カ月ぶり高値を付けた。その後は下落基調が続き、6月には2800ポイントを割り込む水準まで落ち込んだ。
もっとも新華社は「市場の調整幅は制御可能な範囲内にある」と強調。海通証券研究所のストラテジスト、荀玉根氏が「米国が引き起こした貿易戦争や、デレバレッジを背景とする国内の債務不履行(デフォルト)など、短期的に市場心理に影響する要因は確かにある。しかし中長期的にみれば、現在のA株はすでにバリュエーションが合理的な水準になっている」と述べたと伝えた。中信証券研究部主任ストラテジストの秦培景氏も「バリュエーション面をみると、現在のA株市場全体のバリュエーションはこれまで数回経験している大底に相当する水準だ」と述べたという。