2018-06-15 |
香港/マーケット/証券 |
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【相場見通し】もみ合う展開か、自律反発期待も米中通商問題が重荷
15日の香港市場はもみ合う展開か。ハンセン指数は前日まで続落し、約2週間ぶり安値で終えただけに、自律反発を狙った買いが入り安い状況にある。中国の5月の金融統計や、固定資産投資、小売売上高など主要経済指標がいずれも弱い内容だったことを受け、経済成長の減速懸念が広がる一方、中国人民銀行(中央銀行)が預金準備率の引き下げなどに踏み切るとの見方が浮上。当局の金融緩和に対する期待が投資家心理を支えよう。
半面、通商問題を巡る米中対立への懸念が引き続き相場の重荷になりそうだ。トランプ米政権は15日にも中国製品に追加関税を発動すると伝わっている。追加関税が発動されれば、中国の反発は必至とみられ、貿易摩擦の激化に対する警戒感が高まっている。米利上げの加速観測を背景に、香港など新興国市場からの資金還流に対する懸念も根強い。
一方、注目された欧州中央銀行(ECB)理事会では資産買い入れを12月末で終了するとした一方、利上げは来年夏以降になるとした。市場の予想よりハト派寄りの結果だったと受け止められている。前日のNY市場は、ダウ平均が小幅続落、ナスダック総合指数は史上最高値を更新した。14日の香港株の米国預託証券(ADR)は、主力株では欧州金融のHSBC(
00005)、IT大手のテンセント(
00700)、アジア生保のAIAグループ(
01299)が香港終値を上回った半面、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)が下回って引けた。