12日の香港市場は欧米株高の流れを引き継ぎひとまず買い優勢で始まると予想する。11日の米株式市場でダウ平均は4日続伸し、3月上旬以来ほぼ3カ月ぶりの高値で終えた。イタリアの政局懸念の後退で欧州株式市場が軒並み上げ、米市場でも買いが優勢となった。ハイテク株比率の高いナスダック総合が続伸したことも香港市場での関連株の買いに波及する可能性がある。
もっとも政治・経済の重要日程を控え、買い一巡後は上値の重い相場展開になりそうだ。今週はきょうの米朝首脳会議に加えて、12−13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、14日の欧州中央銀行(ECB)理事会など重要イベントが続く。一連の結果を見極めたいとの意識から様子見ムードが強まるだろう。市場では米朝首脳会談について、非核化に関する合意文書が出るか、それとも協議継続の合意にとどまるかに関心が集まっているほか、FOMCを巡っては利上げペースの加速が明らかになるかどうかが注目されている。なお、中国では14日に、鉱工業生産や固定資産投資など5月の主要経済指標の発表も控えている。
11日の香港株の米国預託証券(ADR)は、時価総額の大きい中国IT大手のテンセント(
00700)、欧州金融大手のHSBC(
00005)、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)、中国石油メジャーのシノペック(
00386)などがそろって香港終値を上回って終えた。香港株のADRにサヤ寄せすれば前日終値を約100ポイント上回る水準で寄り付くことになる。