週明け11日の香港市場は強弱材料が入り交じり、方向感に乏しい展開か。前週末のハンセン指数は7営業日ぶりに大幅反落して心理的節目の31000ポイントを割り込んだだけに、自律的反発を見込む買いが入りやすい。8日の米株高も投資家心理を支えるだろう。半面、国際通商交渉の不透明感を嫌気する売りが出そうだ。8−9日の日米欧主要7カ国(G7)首脳会議(シャルルボワ・サミット)では、米国が鉄鋼関税を撤回しなかったため、欧州連合(EU)とカナダは7月に報復関税を発動する見通しだ。サミットは反保護主義を打ち出した首脳宣言を採択して閉幕したものの、3時間後にトランプ米大統領が「首脳宣言を承認しないよう米代表団に指示した。米国市場にあふれかえる自動車の関税を検討するためだ」とツイッターで投稿。サミットは先進国の結束を示せず、むしろ貿易紛争リスクが露わになった。
サミットを途中退席したトランプ米大統領は、12日にシンガポールで北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談に臨む。12−13日は米連邦公開市場委員会(FOMC)、14日には欧州中央銀行(ECB)理事会を控え、重要イベントを前に様子見姿勢が強まりそうだ。
8日の香港株の米国預託証券(ADR)は総じて上昇した。大型金融株のHSBC(
00005)とAIAグループ(
01299)、中国平安保険(
02318)や中国のIT大手テンセント(
00700)が香港終値を上回って引けた。