8日の香港株式市場でハンセン指数は7営業日ぶりに大幅反落。終値は前日比1.76%安の30958.21ポイントだった。中国企業指数は1.95%安の12165.79ポイント。メインボードの売買代金は概算で998億1000万HKドルだった。
ハンセン指数は安く寄り付いた後、ほぼ一本調子で下げ幅を拡大した。後場半ばに心理的節目の31000ポイントを割り込み、約1週間ぶりの安値で引けた。前日まで6連騰した後とあって、利益確定売りが先行すると、次第にリスクオフの動きが加速した。米商務省は7日、中国の通信機器大手、中興通訊(
00763)に対する制裁の見直しで同社と合意したと発表したものの、それに対して一部の米議会議員が反発を強めた。テンセント(
00700)や小米(シャオミ)など中国IT企業との関係を巡って米グーグルへの調査を始めたことも伝わり、米中通商問題の根強い先行き不透明感が嫌気された。今週末から来週にかけて主要国首脳会議など重要な政治・経済日程を控える中、投資家は慎重な姿勢を強めた。
ハンセン指数構成銘柄はほぼ全面安。IT大手のテンセントの3%以上下げたほか、アジア生保のAIAグループ(
01299)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)、生保大手の中国平安保険(
02318)など主力株がそろって大きく売られた。通信キャリアのチャイナ・ユニコム(
00762)が大幅安となったほか、前日に高かった石炭大手の中国神華能源(
01088)、台湾系食品メーカーの中国旺旺(
00151)が反落した。
H株では、不動産大手の万科企業(
02202)、ディーゼルエンジン大手のウェイチャイ・パワー(
02338)、石炭のエン州煤業(
01171)、ネット専業保険最大手の衆安在線財産保険(
06060)の下げが目立った。5月新車販売台数を発表した自動車メーカーの長城汽車(
02333)が4%を超す下落。半面、エンジニアリング会社の中国アルミ国際工程(
02068)、建材大手の中国建材(
03323)、医薬品メーカーの上海復星医薬(
02196)、航空大手の中国東方航空(
00670)などが逆行高を演じた。