中国のテレビ大手、TCLマルチメディア(
01070)は29日大引け後、アルゼンチンのRadio Victoria Fueguina S.A.(RVF)とSontec S.A.に出資する計画を修正すると発表した。TCLマルチメディアのオランダ現地法人TCLオランダがRVFとSontecの増資を引き受け、それぞれ発行済み株式の15%を取得する。昨年11月の合意ではTCLマルチメディアのアルゼンチン現地法人が引受先となっていたが、TCLオランダを海外投資子会社とする経営戦略に沿って変更した。RVFとSontecの株式の残り85%は、それぞれの持ち株会社であるRV TECH S.A.とJWG S.A.が引き続き保有する。
RVFとSontecはともに、アルゼンチンでコンシューマーエレクトロニクスと家電の製造・販売を手掛ける。TCLマルチメディアはRVFに同国での「TCL」商標の独占的使用権を認めるライセンス契約(有効期間50年)を結ぶ。RVFは全額出資子会社やSontecに使用権をサブライセンスする権利を持つ。
アルゼンチンは南米で最大級の市場であり、成長力は高い。しかし貿易保護主義の下で海外ブランド家電は重い税負担を強いられ、国内ブランドとの市場シェア争いで劣勢にある。TCLマルチメディアは現地メーカーの合弁パートナーとなることで、同国事業の拡大を目指す。
TCLマルチメディアの株価は日本時間午前11時21分現在、前日比1.61%安の3.66HKドルで推移している。