米FOXニュースは25日、トランプ米大統領が中国の通信機器大手、中興通訊(
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米商務省は4月、中興通訊に米国企業との取引を7年間禁じる制裁を科した。同社が昨年、イランや北朝鮮への禁輸措置違反について和解する際に米政府に虚偽の説明をしたことが理由だ。米国製部品への依存度が高い中興通訊は、制裁により事業停止に追い込まれた。トランプ氏は「(前大統領の)オバマは中興通訊を罰しなかった。私は事業を停止させた」と述べ、中国や同国企業の不当な行為に厳しい態度で臨むと強調した。ただ、米与野党の議員から、安全保障面から制裁解除に反対する声が出ている。
野党・民主党のシューマー上院院内総務は25日、「罰金と取締役の交替だけではアメリカの経済と安全は守れない。(合意は)習国家主席の大勝利であり、トランプ大統領の劇的敗退だ」と批判し、実施阻止のため与野党が結集するよう呼び掛けた。与党・共和党のルビオ上院議員も「中興通訊と中国にとって素晴らしい取引だ」とツイッターに書き込み、反対姿勢を明らかにした。
中興通訊は4月17日から株式取引を停止している。