25日の香港市場は売り先行か。トランプ米大統領が米朝首脳会談の中止を発表したことを受け、朝鮮半島情勢を巡る地政学的リスクへの警戒感がリスク回避の動きにつながりそうだ。また、ロシアや石油輸出国機構(OPEC)加盟国が減産を緩めるとの思惑から原油先物相場が続落し、エネルギー関連株が売られれば相場の押し下げる要因になるほか、香港市場では米中通商交渉の先行き不透明感も引き続き重しになる可能性がある。
もっとも、下値を切り下げる動きは限られるか。5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けた米利上げペースが加速するとの観測の後退や、米長期金利の下落が引き続き好感されよう。香港からの資金流出懸念が和らぎ、投資家心理を支える要因になりそうだ。
24日のNY市場は米朝首脳会談中止のニュースを受けて一時280米ドル安まで下落したものの、売り一巡後は下げ幅を縮めた。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は小幅反落。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、石油メジャーのシノペック(
00386)、CNOOC(
00883)、ペトロチャイナ(
00857)、大型金融株の中国建設銀行(
00939)、HSBC(
00005)、中国工商銀行(
01398)などが香港終値を下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば前日終値を約110ポイント下回る水準で寄り付くことになる。