ロシアのアルミニウム大手UCルサール(
00486)は24日朝方、米国による経済措置が発動猶予期限の10月23日までに解除されない場合、国際金融機関が同社との取引を打ち切る公算が大きいとの見解を明らかにした。制裁が実施されれば同社の金属生産・販売事業は著しく阻害される見通し。売上高の減少とサプライチェーン再構成の出費が痛手となり、EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)とキャッシュフローが大幅に減少する可能性があるとした。
米財務省外国資産管理局(OFAC)は4月6日、米大統領選へのロシアの介入を理由にプーチン大統領に近い新興財閥(オリガルヒ)などに対する追加制裁を発表。UCルサールを制裁対象に含めた。同社と米国企業との取引を禁じる措置が10月23日に発動される。一部金融機関はすでに、同社の資金決済の取り扱いを制限している。
同社は、合理的な条件で資金を調達する機会は極めて限られていると指摘。事業活動が落ち込んで負債の返済ができなくなる可能性があるとした。また、証券業務を手掛ける一部法人が同社証券の取り扱いを停止したため、投資家が資産を処理できなくなったと明らかにした。同社は現在、株主と債権者、取引先の利益保護に向け、米国の行政当局や司法当局と協議している。
UCルサールの株価は日本時間午前11時35分現在、前日比4.23%高の1.97HKドルで推移している。