2018-05-22 |
香港/企業動向/通信用機器 |
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富智康集団、「ノキア」携帯端末会社の優先株取得 6200万米ドル出資
台湾・鴻海精密工業(ホンハイ)傘下の富智康集団(
02038)は21日大引け後、「ノキア」ブランド携帯端末の生産を手掛けるHMDグローバルの優先株を取得すると発表した。HMDの増資に応じ、6200万米ドル(4億8400万HKドル)を投じて2億4500万株を引き受けることで合意した。富智康集団はHMDから携帯端末の製造を受託しており、資本関係の強化を通じて研究開発の拡充や製造能力の増強で協力し、共通目標である「ノキア」ブランド事業の世界展開を目指すとした。
優先株はHMD普通株に転換できる。富智康集団が優先株1株を普通株1株に転換すれば、増資後発行済み株式の7.02%を取得する見込み。なお、HMDが7年以内に新規株式公開(IPO)を実施しなかった場合、富智康集団は優先株をHMDに売る権利(プットオプション)を持つ。HMDは時価総額が15億米ドルを超える見込みを前提に、香港証券取引所など国際的な市場でIPOを行う計画。
HMDはノキアや米マイクロソフトなどの元幹部が設立したフィンランド企業で、2016年12月にノキアから携帯電話やタブレットの「ノキア」ブランド独占使用権(期間10年)とセルラーフォン技術ライセンスを取得した。同社はさらに、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)の「ノキア」商標使用権(2024年まで有効)をマイクロソフトから取得し、「ノキア」ブランドの携帯端末とタブレットの全タイプについてライセンスを持つ唯一の事業者となった。一方、富智康集団は2016年12月、HMDの株主である投資組合に250万ドル(組合資金の29.76%に相当)を投資し、間接的な形でHMDに出資している。