16日の香港市場は前日の米株安の流れを引き継ぎ売り優勢で始まるか。15日のNY株式相場は主要3指数がそろって下落。米長期金利が6年10カ月ぶりの水準まで上昇したことを受けて、不動産や公益株など高配当利回り株のほか、企業収益の悪化懸念から景気敏感株が総じて売り優勢となった。香港市場でも米長期金利の上昇はマイナス材料。米ドル高が加速の動きをみせていることと合わせて、資金流出懸念が意識されよう。また、ハンセン指数の主力構成銘柄であるテンセント(
00700)がきょう大引け後に18年1−3月期決算を発表する。悲観的な見方も伝わるなか、様子見ムードが広がる可能性がある。
もっとも、下値は限られると予想する。前日のハンセン指数は目先の利益をいったん確定する売りが優勢となり7営業日ぶりに反落したが、相場の先高観は根強い。A株のMSCI 新興国指数への採用銘柄が伝わるなか、中国本土で上海総合指数が約5週間ぶりの高値圏まで上昇していることも相場を下支えするだろう。なお、米中通商問題を巡っては、中国の劉鶴副首相が15日から米国を訪問し、米当局者らとの協議を行う。
15日の香港株の米国預託証券(ADR)はテンセント、本土商業銀行大手の中国建設銀行(
00939)や中国工商銀行(
01398)、保険大手の中国平安保険(
02318)などが香港終値を下回った一方、欧州金融大手のHSBC(
00005)、香港都市ガス会社のホンコン・チャイナガス(
00003)などが上回って引けた。