15日の香港株式市場でハンセン指数は7営業日ぶりに反落した。終値は前日比1.23%安の31152.03ポイントだった。中国企業指数は0.83%安の12440.75ポイント。メインボードの売買代金は概算で1052億HKドルだった。
ハンセン指数は小高く寄り付いた後、ほどなくマイナス圏に沈んだ。前日まで6営業日続伸しただけに、目先の利益をいったん確定する売りが優勢。米長期金利が再び3%の大台に乗せたことや、午前中に発表された中国の4月小売売上高と1−4月固定資産投資の伸びが低水準にとどまったことも投資家心理を悪化させた。ただ、31200ポイント付近では下げ渋り、前場中盤以降はおおむね同水準付近でもみ合った。米中の通商問題をめぐり、ロス米商務長官が中興通訊(
00763)に発動した制裁について「代替策を非常に迅速に検討していく」と発言したほか、中国の劉鶴副首相がきょうから訪米し、2度目の交渉を行う。米中貿易摩擦の激化回避に対する期待が地合いをある程度支えた。もっとも、クロージング・オークション・セッション(大引け後10分間の板寄せセッション)の間に時価総額上位のテンセント(
00700)が下げ幅を拡大すると、指数は結局、きょうの安値で引けた。
ハンセン指数構成銘柄では、テンセントが3%超の下落となり、相場を押し下げた。2018年1−3月決算発表をあすに控え、持ち高調整の売りが重しとなった。中国大手国有銀行の中国工商銀行(
01398)、中国建設銀行(
00939)が売られた。A株のMSCI 新興国指数への採用が決まったが、材料出尽くし感から利益確定売りが出たもよう。1−3月決算が予想を下振れたスマホ部品大手の瑞声科技(
02018)が大幅に続落したほか、同業の舜宇光学科技(
02382)が反落。乳製品大手の中国蒙牛乳業(
02319)、民営自動車メーカーの吉利汽車(
00175)、アジア生保のAIAグループ(
01299)も安い。半面、前日に逆行安の碧桂園(
02007)が反発した。通信キャリアのチャイナ・ユニコム(
00762)が高い。恒隆地産(
00101)など香港不動産株の一角が堅調だった。
H株では、新華人寿保険(
01336)、中国人民財産保険(
02328)など保険株や中信証券(
06030)、中国銀河証券(
06881)など証券株が安い。航空大手の中国国際航空(
00753)、有料道路運営の江蘇高速道路(
00177)、深セン高速道路(
00548)も売られた。MSCIが10日に構成銘柄に採用しない方針を示した中国能源建設(
03996)は4営業日続落。半面、広州白雲山医薬(
00874)、上海復星医薬(
02196)、上海医薬集団(
02607)など医薬株や華能国際電力(
00902)、華能新能源(
00958)など電力株が逆行高を演じた。