11日の香港株式市場でハンセン指数は5日続伸。終値は前日比1.02%高の31122.06ポイントだった。中国企業指数は0.91%高の12345.30ポイント。メインボードの売買代金は概算で999億3000万HKドルだった。
ハンセン指数は心理的節目の31000ポイントに乗せて寄り付くと、終始プラス圏で推移した。終値は3月21日以来、約1カ月半ぶりの高値。前日の米株高が買い安心感につながった。4月の米消費者物価指数(CPI)が弱い内容だったことを受け、利上げペースの加速観測が後退したほか、米長期金利の上昇が一服したことで香港を含む新興国市場からの資金流出懸念が和らいだ。もっとも、中盤は31200ポイント付近で推移していたが、本土市場で上海総合指数が3日ぶりに反落したこともあり、後場後半に上げ幅をやや縮小した。米中貿易摩擦への懸念が根強い中、来週も米中通商協議の開催が予定されており、一方的に持ち高を傾けるには投資家が依然慎重だった。
ハンセン指数構成銘柄では、アジア生保のAIAグループ(
01299)が大幅に続伸し、1銘柄だけで指数を66ポイント押し上げた。民営自動車メーカーの吉利汽車(
00175)が4%近い上昇。親会社の浙江吉利控股集団が傘下のボルボ・カーズの株式新規公開(IPO)を計画しているとの情報が手がかりとなったもよう。香港不動産の太古A(
00019)、マカオカジノのサンズ・チャイナ(
01928)、港湾運営の招商局港口(
00144)も高い。半面、スマホ部品メーカーの舜宇光学科技(
02382)、香港鉄道事業者の香港鉄路(
00066)や石油メジャーのCNOOC(
00883)、ペトロチャイナ(
00857)が軟調だった。
H株では、東風汽車集団(
00489)、BYD(
01211)、広州汽車集団(
02238)など自動車株がそろって高い。中国汽車工業協会(CAAM)がきょう発表した4月新車販売台数の伸び加速が好感された。ネット専業保険最大手の衆安在線財産保険(
06060)、高速道路運営の江蘇高速道路(
00177)、深セン高速道路(
00548)が大きく上昇した。半面、医薬の広州白雲山医薬(
00874)、北京同仁堂科技(
01666)、風力発電の華能新能源(
00958)、鉄鋼のアンガン・スチール(
00347)、建材の安徽コンチセメント(
00914)などが下落した。