10日の香港株式市場でハンセン指数は4日続伸。終値は前日比0.89%高の30809.22ポイントだった。中国企業指数は0.40%高の12233.96ポイント。メインボードの売買代金は概算で931億7000万HKドルだった。
ハンセン指数は前日の米株高の流れを引き継ぎ、堅調に推移。終値は4月12日以来ほぼ1カ月ぶりの高値だった。中国本土の相場上昇も投資家心理を強気に傾けたもよう。トランプ米政権がイラン核合意から離脱してイランへの経済制裁を再開すると決めたことで、原油価格が上昇するとの思惑からエネルギー株が買われた。米長期金利の上昇に伴い利ざや改善が期待できる銀行株や保険株も高い。前日のNY市場でハイテク株の比率が高いナスダック総合が4日続伸したことで、香港でもハイテク関連株に買いが入った。
ハンセン指数構成銘柄では、中国IT大手テンセント(
00700)が大きく買われ、1銘柄で指数を81ポイント超押し上げた。国際金融銘柄のAIAグループ(
01299)とHSBC(
00005)の上昇も相場を押し上げた。中国石油メジャーのペトロチャイナ(
00857)、CNOOC(
00883)、シノペック(
00386)がそろって大幅に続伸。前日下げた石炭大手の中国神華能源(
01088)は急反発した。ハイテク株の瑞声科技(
02018)とレノボグループ(
00992)も高い。半面、不動産株の華潤置地(
01109)や中国の商業銀行、交通銀行(
03328)が反落した。自動車メーカーの吉利汽車(
00175)もさえない。
H株では、石油関連銘柄のシノペック石油工程技術服務(
01033)、中海油田服務(
02883)、シノペック煉化工程(
02386)が買われた。石炭株のエン州煤業(
01171)も高い。アビチャイナ(
02357)の上昇も目立った。前日大引け後、非上場の内資株を流通可能なH株に転換する「H株全流通」が、中国当局に認可されたと発表し、材料視されたもよう。一方、原油高により燃料コストや利払い負担が膨らむ中国南方航空(
01055)、中国東方航空(
00670)が売られた。発電設備専門の建設会社、中国能源建設(
03996)の下げがきつい。