テンセント(
00700)は、英国の文化産業との共同事業を展開することで同国の国際貿易省と合意し、覚書(MOU)を交わした。テンセントは英国と中国の経済交流に関与しつつ、海外事業の拡大を目指す。当初は英国製の映画やゲーム、ファッションの中国での拡販に力を入れる方針。支出や投資の規模は明らかにされていない。ロイター通信が9日伝えた。
テンセント幹部は9日、ロンドンで開いた発表会で、今回の合意を突破口として欧州に進出し、計画済みの共同事業を実施するほか投資機会を探る考えを明らかにした。発表会に出席した英国のリアム・フォックス国際貿易相は「今後数年間は英国がテンセントのような企業と協力するまたとない機会になるだろう。イノベーションを推進し、世界貿易の未来を形作りたい」と述べた。
覚書に基づき、テンセント傘下のペンギンピクチャーズが英BBCとドキュメンタリーフィルムの共同制作や配給(期間3年)を行う。またテンセントは、英観光促進当局の協力を得て、スマホ用レーシングゲーム「QQスピード」に英国のキャラクターや音楽を取り込んだ新版を制作する予定。さらにeスポーツ産業の振興に向け、オックスフォード大学と共同でゲームを主催し、専門学科を開設する計画だ。