27日の香港市場は反発か。米株高や米長期金利の低下など外部環境の改善を受け、前日にハンセン指数が約3週間ぶり安値で終えた後とあって、買い戻しが優勢になりそうだ。26日のNY市場は、四半期決算が市場予想を上回る増収増益となったフェイスブックが大幅高となり、IT関連株を中心に買いが広がった。ダウ平均が大幅続伸し、ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は6営業日ぶりに反発した。香港市場でこのところテンセント(
00700)などIT関連株の下げがきつかっただけに、安値拾いの買いが相場を押し上げよう。米長期金利は3日ぶりに心理的節目の3%を下回り、香港からの資金流出懸念が一服しそうだ。中国本土市場の重複上場銘柄を中心に1−3月期決算の発表がピークに入り、好業績を手掛かりとした買いも活発になろう。
ただ、上値追いの動きは限られると予想する。米司法省が中国スマートフォン大手の華為技術(ファーウェイ)を捜査していると報じられるなど、ハイテク分野で米中の対立激化に対する懸念が高まっている。ムニューシン米財務長官らが来週にも訪中して通商交渉を正式に開始すると伝わる中、様子を見極めたい投資家気分が上値も抑えよう。中国人民銀行(中央銀行)の流動性措置も気がかりだ。25日に商業銀行に対する預金準備率が1%引き下げられたが、人民銀の公開市場操作(オペ)は25−26日の2日連続で1500億元規模の吸収超過となった。本土で企業の納税期間を迎えており、市場資金のひっ迫が懸念されている。
同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、IT大手のテンセントや大型金融株のHSBC(
00005)、中国建設銀行(
00939)、AIAグループ(
01299)、中国平安保険(
02318)が香港終値を上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約270ポイント上回る水準で寄り付くことになる。