20日の香港株式市場でハンセン指数は3日ぶりに反落。終値は前日比0.94%安の30418.33ポイントだった。中国企業指数は1.52%安の12054.23ポイント。メインボードの売買代金は概算で992億8000万HKドルだった。
ハンセン指数は総じて軟調に推移した。半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が示した業績の弱気見通しを受け、スマートフォンや半導体の需要鈍化が懸念された。本土市場で上海総合指数が3日ぶりに大幅に反落したことも嫌気。香港ドル安の一服を受けて前場中盤にプラス圏に浮上する場面もあったが、勢いは続かなかった。米中貿易摩擦の激化が引き続き意識される中、後場に入ると指数は下げ幅を広げ、10日移動平均(大引け時点で30528.51ポイント)、20日移動平均(同30453.96ポイント)を次々と割り込んだ。
ハンセン指数構成銘柄では、スマホ部品メーカーの瑞声科技(
02018)、舜宇光学科技(
02382)が大幅安。IT大手のテンセント(
00700)に加え、大手国有銀行の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)、石油メジャーのCNOOC(
00883)、シノペック(
00386)など主力株の下落が指数を押し下げた。PC世界大手のレノボグループ(
00992)は急落した。米議会の米中経済安全審査委員会が19日発表の報告で「中国側は知的財産権を不正に取り込んでいる」と断じ、国家主導の経済スパイ活動を行っている中国企業として華為技術と中興通訊(
00763)、レノボグループ(
00992)を名指ししたと伝わり、売り材料となった。半面、欧州金融大手のHSBC(
00005)が買われ、相場をある程度下支えた。香港不動産関連の九龍倉置業地産(
01997)、台湾系食品メーカーの中国旺旺(
00151)が逆行高を演じた。
H株は幅広い銘柄に売りが出た。不良債権処理最大手の中国華融資産管理(
02799)は12%近い下げ。同社は「重大な規律違反」の疑いで調査を受けている頼小民会長の辞任を発表し、きょうから取引を再開した。航空大手の中国南方航空(
01055)、中国東方航空(
00670)、中国国際航空(
00753)や建材メーカーの中国建材(
03323)、安徽コンチセメント(
00914)、新エネルギー自動車のBYD(
01211)も下げが目立った。